オフィスなし、全員がリモートワーク  株式会社ソニックガーデンの「働き方」②

2018年12月17日


物理的なオフィスを撤廃して全員がリモートワークという体制になった「株式会社ソニックガーデン https://www.sonicgarden.jp/

①に続き、全員がバーチャルオフィスで勤務するという体制になって、働き方はどのように変化したかをお伺いいたしました。

バーチャルオフィスが十分に機能すればリアルと「何も変わらない」

倉貫       バーチャルオフィスになったことによる変化ですが、一言でいうと「何も変わらない」ですね。東京のオフィスを撤廃する前と撤廃した後で、仕事の進め方や働き方は何も変わっていません。

朝バーチャルオフィスにログインして「おはようございます」と挨拶して業務を開始し、仕事でわからない事があればいつでも気軽に同僚と相談する。半年に一度の社長と社員のキャリア面談からちょっとした悩み相談までバーチャルオフィス内で行なう。これらは全てオフィス撤廃前から変わっていないので、働き方も特に変わりませんでした。

―――なるほど、それでは全員がリモートワークという働き方になったことによって、実際の人事管理や労務管理の面で問題は発生しませんでしたか?

 

倉貫       仕事の進め方や働き方が全く変わっていないため、人事管理や労務管理、マネジメントの面でも特に変わった事はないと思います。人事管理や労務管理に関する事は、ソニックガーデンの人事労務管理を担当する岩崎からご説明させて頂いた方が良いと思いますので、今から呼びますね。

といっても、別の部屋から呼んでくるのではなく、このPCから岩崎を呼んでオンラインで参加させて頂きます。

 

岩崎様(PC上)以下、敬称略         はじめまして、ソニックガーデンの岩崎です。人事労務関連を担当しております。

リモートワークの人事管理と利点

―――今までお聞きしまして、バーチャルなオフィスの運用がリアルにとても近いということに驚いています。制度面でのご質問ですが、御社ではどういった時間管理制度を導入されておられるのでしょうか?

 

岩崎       時間管理制度についても、バーチャルだから何かが大きく違うということはないと思います。コアタイムを設けないフレックスタイム制を取っています。ソニックガーデンでは効率よく働く事が推奨されており、かつ自由な働き方で生産性を上げてほしいため、個人の判断で出社退社時間が決められるようにしています。

 

―――勤怠管理の記録についてはどのようにしているのでしょうか。

 

岩崎 勤怠管理の記録については、バーチャルオフィスであることの利点が大きいです。バーチャルオフィスへのログイン、退社はバーチャルオフィスからのログアウトのログをそのまま記録し、自動計算することができるためです。

ただし、バーチャルオフィスにログインしていても業務をしていない時間や、ログインしてなくても出張で働いている場合もありますので、自動計算された結果を本人が確認し、必要に応じて本人が修正するという方法をとっております。

 

―――リモートワークでフレックスタイム制という中で、厳密に勤務時間を管理されているのですね。リモートワークであまりに自由だと、サボる社員の方が多くなったりすることはないのですか?

 

倉貫       「そういう問題自体が存在しない」ということが答えかと思います。経営者として正直に言ってしまうと、自己責任で働き方をコントロールした上で成果さえきちんと上げているのであれば、サボる、サボらないという事は些細な問題だと思っています。

それに、オフィスで正面にいる人がPCに向かっていても、実はゲームをしていたりネットサーフィンをしていたりしてサボっている場合もあると思います。どちらかというと、厳密に時間管理を行うのは、サボる事を心配しているのではなく、働き過ぎにならないように配慮するためなんです。

採用まで1年半をかけ、組織や風土との繋がりを見極める

―――そこまで皆さん、まっすぐに働いていらっしゃるんですね。頑張って働く方が集まるように、採用で工夫をしていらっしゃるのでしょうか?

 

倉貫       はい、工夫というか、じっくり時間をかけて採用をしています。応募から雇用契約を結ぶまでに大体1年半ほどかけ、極めて時間をかけることを特色とした採用制度を取っています。また、面接は全てテレビ会議などのリモートで行っており、直接会うのは雇用契約締結時ですね。

 

―――応募から採用に至るまで1年半とはかなり長いですね。その間に応募者が辞退してしまう事はないのですか?

 

倉貫       はい、もちろん辞退される方もおられますが、それはそれで構わないと思います。ソニックガーデンは、応募者と会社の双方がそれぞれ「この会社で一緒にやっていけるか」をじっくり長い期間をかけて見極め、お互いが信頼関係を築いた上で入社してもらう事が大切だと考えていますので、その間に、どちらかが「あ、これは何か違うな」と思う事があれば、そこで終了するのがお互いのために良いと思います。そのようにして採用時点から弊社に会うか合わないかを見極めて、適性を判断しています。

 

―――そこまで会社という場への適性を重視していらっしゃるんですね。リモートワークというと、一般的には「孤独な働き方」というイメージがあります。しかし御社では、繋がりやチーム、あるいは人が集まるオフィスということをとても重視していらっしゃるように思います。

 

倉貫       そのとおりです。一緒に働くメンバーが集まる場としてのオフィスはやはり大切であり、お互いの顔が見えて様々な雑談が気軽に出来るという事は、チームで仕事を行う上でとても大切な事だと考えています。ただ、オフィスは必ずしも物理的なオフィスである必要はなく、雑談や相談が出来、常に働いているメンバーの顔が見える、仲間と繋がっているという気持ちが持てるのであればバーチャルオフィスでも全く問題無いと考えています。

 

―――今後さらに増えていくと思われるリモートワークという働き方について大きなヒントを頂きました。本日はどうもありがとうございました。

(執筆 東京都社会保険労務士会 HR NEWS TOPICS編集部 南雲大助)