社会の変動は大きなチャンス 急拡大を目指す総合不動産/空間創造事業 株式会社INVICTUS

2020年9月5日


今回は、コロナウィルス感染症対応などの社会環境の激変の中で現状維持を図る企業が多い中、あえて拡大していくことを決意され、積極的に事業拡大と採用を行っている株式会社INVICTUS(インビクタス) の代表取締役、布村優様にお話をお伺いしました。

多様な事業領域  今後の短期間での急拡大の経営計画

―――まず、貴社ではどのような事業を行っているのかをお教えください。

 

布村様(以下敬称略)はい、当社は成長途上ではありますが、総合的不動産・空間創造業だと言える事業を行っています。現在は不動産業とリフォーム業が主です。そのほか店舗の総合設計・インテリアデザイン・家の内装や設備の選定から納品などまで行っています。ほか、WEBなどのプロモーション業なども行っております。

 

―――とても事業領域が広いですね。これから組織を作ろうとしているところであると伺っているのですが、現時点でそこまで多様な事業を行っているのですか。

 

布村 はい、現時点では雇用している社員は1名で、あと1名の社員の採用が決定しているところです。当社自体の組織規模は小さいのですが、今までの事業で支援して下さっている協力先の事業者の方々と様々に連携し、お話ししたような事業を行っています。

そういった事業の今後の方向性に意思が固まり、計画的な拡大を決意しています。今後の1~2年のうちに最低10名程度は採用を行うことは決定しており、事業の状態を見つつ、可能であればさらに組織規模を拡大していきます。

 

壮絶な営業経験と、顧客に実現したい価値を見出しての独立

―――布村様のご経歴や、今の経営計画を決定するに至った経緯などをお教え頂けますでしょうか。

 

布村 私の社会人としてのキャリアは、投資用不動産会社の営業職が最初です。不動産の営業職は厳しいイメージがあると思いますがまさにその通りで、かなり壮絶な営業をしました。幸いある程度実績も出せていきまして、3年強ほどそのまま勤務し、リーダー職にもなっていき、同僚の中ではうまくいった方だったのですが、根本的な不満が払拭できなくなっていきました。それは、「提供する物にこだわることができない」ためでした。

不動産営業の中でも特に投資用不動産は、クライアントに売るのは投資目的、財テクや節税のための不動産となるため普通はご自身が使うわけではありません。そこに感じる矛盾が大きくなっていきました。

顧客が本当に望む、住むことの価値や事業を行うことの価値を、不動産や空間に実現していくような仕事をしたいということは今も感じている課題ですし、その思いの実現を目指しているのだとも言えます。

 

―――とても重要なご経験をされたのですね。その後はどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

 

布村 その後、住宅や店舗の設備機器を扱う大企業の営業職に転職をしました。投資用不動産よりは圧倒的に売りやすく、業績は問題なかったのですが、優良な設備機器ではあっても、既製品を売っているだけであるとも思えました。自分がしたい、顧客への不動産や空間の価値提供には限界があると感じたのです。

 

不動産業と設備業を経て徐々に外注業者の方々にも知り合いが増えていたため、一念発起して独立したのです。27歳の時でした。その後、事業は基本的には順調に来ました。やはり独立した方が遥かに自分の自由が利き、感じていた課題感も解決に向かい、自身が提案する住居や店舗不動産・設備など含めて、様々に事業を行う時期に入りました。

 

その後法人化をし、今までの8年間は徐々に売上も顧客数も拡大して事業を続けられました。ただし、企業として雇用はしていない状態でしたので今まではその延長上で来たのだと言えます。

価値観を共有できる組織を作る必要性があり、それが可能な時期だと確信

―――順調に来られたことが凄いとともに、様々なご苦労もあったのではないかと思います。いま、雇用と急拡大を始めた理由は何なのでしょうか。

 

布村 会社員の時よりも、自分のやりたいことに近づいたのは明らかでした。また、信頼でできるパートナーの皆様にも恵まれていたと思います。しかしそういう中で、やはり本当に目指している価値を実現するためには、組織をつくる必要性を感じることが大きくなっていったのです。

 

たとえば大規模なリフォームなどの場合、営業・企画や、かなりの程度、デザインや工程などまで自分で企画し、発注することはできます。しかし、不動産・建築・空間というのは、受注と企画を決めるよりも、やはりその後の工程の方が遥かに大事なのです。顧客に提供するのは、企画ではなく、最終的な建設物や空間だからです。個人事業や委託関係で動く形だと、設計や施工に関わったり、案件に深く入ったりすることに限度があります。

 

当然、そこは信頼をして確実に伝え連携する、ということが前提にあります。しかし、本当に価値があるものを提供するのには、自分が日々価値観や技能を伝え、ともに動いていける組織や仲間がないと限度があるということを痛感する機会が増えていきました。

 

また、私自身の設計・施工・設備などまで踏み込んで提供する経験、外部の方と組織的に連携するような経験も増えてきていました。自分の得た知見や経験を共有できれば組織的な力になるのではないかと思えましたし、組織化しても、ある程度の安定を保って成長することが可能なように思えてきたのです。

コロナ感染症対応をはじめとする社会の激変は、明らかにチャンスである

―――なるほど、組織を急拡大していく計画に至った経緯やご理由が大変よくわかりました。社会的には感染症対応や様々な変化がある中で、現状維持や縮小に向かう企業も多いと思います。方針変更などは考えなかったのでしょうか。展望をお教えください。

 

布村 確かに大変な状況の方々も多く、不動産や建設の行かい全体でも良い状態とは言えません。しかし、明らかに社会や価値観が転換する時であり、チャンスの時期だと思います。業態の転換などが進んでニーズが増える部分もあるでしょう。

 

また、今の混乱の収束の後を見据えて積極的に投資をしている国内外の事業者の方々もいるのです。そういう方々に提案し、連携をしていくことは重要な方針です。
また何よりも、人が動く時ですから採用活動で良い方々と出会える可能性が上がっているだろうと思っています。

 

今の時期だからこそのチャンスが明らかにあります。私は営業キャリアが長く、ピンポイントでニーズを拾っていくような動きは得意だとも思っています。今の時期のチャンスをうまく活用することはできるし、またそうしていくことが今後出会っていく方々に対する貢献にもなるはずだと思っています。積極的な方針は全く変わりません。

人生や価値観、目指すものを共有し合い、そこから生まれる繋がりからイノベーションを生み出せる環境が最も重要  それを今後の力の源泉にしたい

 

―――よくわかりました。そういう環境の中で作っていく、組織や人材に関するご方針はありますか?

 

布村 今までお伝えしたような事業を実現するためには、私が感じている価値観を、その方の考え方も踏まえて伝達する必要があります。また、いま自分にある技能、その方が持っている技能を共有し合っていく必要があります。また社会環境の変化に応じた動き方をご一緒に考えていく必要性も大きいでしょう。

 

こう考えていくと、表層的な利益などをもとにした関わり方では当然、薄すぎると考えています。いま弊社に入社してくれた社員とも試みを始めていますが、その方の今までの人生や価値観、目指していくものをできる限り聞き、自分も話し共有し合うことがまずは基盤になっていくと考えています。

まだ始めてから短くはありますが、そういうことをして繋がりが強まると、思わぬところで自分には絶対にない発想が出てきて驚くことがあります。こういう発想の連鎖が起こり続ける組織ができれば何も怖くないのではないかと思っています。

 

 

―――それはまさに、世の中的にも重視されている、イノベーションと言われるものなのかもしれないですね。組織の風土や管理方法などもとても重要になりますね。

 

布村 はい、その通りです。今までの自分の事業の中でも、人とのかかわり方や繋がり方、そうした中で生みだされる自分の課題感や発想というものはもっとも重要なものでした。それを生み出せるような風土、ルール、仕組み作りこそが一番重要な力の源泉となることは間違いありません。整備のためには、広い組織への知見や、当然に法的な知識なども必要だと思っていますので、様々な方のお知恵も頂きながら、ひとつひとつ実現していくことができればと考えています。

 

―――本日は誠にありがとうございました。

取材した社労士より

今回の取材を通し、コロナウィルス感染症対応やその他の社会の変化は事業的なチャンスでもあることがよく理解できました。また社会的にも、そういった変化の中にあるチャンスを見出し変化し続ける決意がとても重要ではないかと思われました。

そして、企業などの組織でも個人の方においても、チャンスを生かして発展的に行動するためには、様々な方と深く関わり構築された関係性の中で自由な発想ができる場を作り変革を起こし続けることが重要だと思います。

そのためにはルールを遵守した安心感のある組織であることはもちろん基盤となりますが、さらに、社内の繋がりを生み出す風土や人事制度の仕組み作りが重要となります。

社労士は、組織に関する法令や制度の知識をもとに風土や制度作りに関するコンサルティングや公的支援を活かすことで、こうした仕組み作りに貢献できる可能性が高いと考えています。変化の中だからこそ生まれるチャンスや社労士の貢献できる価値について発見できた貴重な機会でした。

(東京都社会保険労務士会 HR NEWS TOPICS編集部 松井勇策)