ブロックチェーン最新技術に挑む「10~20代の若き英才が集う奇跡的ベンチャー」JPYC株式会社

2021年7月7日


今回は、JPYC株式会社(https://jcam.co.jp/)を紹介します。
国際的にも注目されている最新のブロックチェーン技術を使ったEC事業等を運営し、多様な応用の可能性を探っているベンチャー企業です。

現状を見る限り、以下のような「通常あり得ない状態」を実現している企業であると言えると思います。今回は社長の岡部典孝様に、現在の状態が成立できている要因や、今後の事業展望を語って頂きました。

(事業やインフラの状態)
・ブロックチェーン技術を応用した、収益性の高い自社サービスを次々に生成・運営
・上場を目指す調達も早期に成功し現在約3000万円の調達を成功させプレシリーズAに
・1年で芝公園の高級一棟立てビルに移転

(組織の状態)
・20代の方はもちろん10代の優秀な方が多数活躍、インターン含め1年で20人規模に成長
・完全フラットな組織で「自分の意思で仕事をする」ということが成立している
・3年後に200名規模、パートナー開発者等含めて数百~数千人規模でIPOを目指す

仮想世界で磨いたマネジメントノウハウや、米軍や災害救助の最先端の管理技術から新しい人事管理方法を確立

 

―――異常に若い方々が積極的で自律的に働いて急成長で事業を発展させているという、すごい状態を実現されていると思います。なぜこうしたことが可能なのでしょうか?

 

岡部様(以下、敬称略) 自分の経験も採り入れたマネジメント技術と、ブロックチェーン技術から広がる「自律分散型」の世界観、そこから帰結する会社の運営方法によるところが大きいのではないかと考えています。

 

もともと自分はいくつかの企業や組織を立ち上げ、運営するという経験をしてきました。その中でも特に参考になったのは位置情報ゲームIngressの指揮経験です。現実と連動した大規模な戦争ゲームでは、現実世界の友人関係より情報交換などが頻繁なのはもちろん、企業活動よりも行動や作戦目標が多いとも言えます。組織規模も数千人規模になったことも何度もありました。

 

こうした世界で自分が指揮した世界イベントでの作戦などにおいて、トップダウン型の指揮方法よりも、自律分散型の指揮方法の方が組織の力が増大し、成功の確率が遥かに上昇してきた経験を持っています。変化し続ける状況への対応が必要な環境におけるマネジメントノウハウを磨くことができました。この自律分散型組織の運営ノウハウを活用しています。

  

―――社内のミーティングなどでも驚くのですが「自分のやりたいことをやりたいようにやる」「フラットでオープンで情報を全員共有する」という仰ることが本当に実現しているように思えます。社員の方も積極的で自由に働いているようです。

 

岡部 各論としては、米軍や世界中の災害救助組織で用いられているICS(インシデント・コマンド・システム)という組織管理メソッドに、育成や組織持続の要素を取り入れた人事体系を作っています。

これは基本的に「現場のことは現場の人の判断で行うのが最善である」ということで作られた、軍や災害救助などの、緊急事態に対応するための組織管理手法です。我々の扱っている事業領域は最先端の領域ですので変化が多くルーティン業務を定めるような余地も少ないため、現在の事業の状況に最も向いているものと判断しています。

 

現状では、技術部門から管理系の部門まで、確かにそれぞれのメンバーが自律性をもって行動できていると思います。この良い文化を今後も引き続き発展させていきたいです。

世界は自律分散型に近づくことを確信 基盤技術をもとに、個人が自由に事業を拡げられる経営を実現

―――なるほど、自律分散型で組織が運営できているという理由をもう一歩、深堀りしてお聞きしたいです。事業内容や今後の構想も含めてお教えください。

 

岡部 この先の世界はあらゆる面で自律分散に近づいていくはずです。
弊社の事業の核心であるブロックチェーン技術とは「全体の管理者がいなくてもそれぞれのデータに唯一性と自律性を実現していくということ」です。つまり自律分散のための技術です。
この技術の理解を深めるほど、ブロックチェーンの可能性と影響力は巨大であり、今後の世界の向かう方向や、我々が実現すべきものが見えてくる確信が深まっています。
弊社は現状「あらゆる通貨で全てのものが売買される世界を実現する」というビジョンを設定しています。まずは売買の世界での決済手段の拡大と自由化、自律分散化をブロックチェーン技術によって目指していく、ということにその趣旨があります。

 

これは暗号通貨を弊社で発行するということではなく、ブロックチェーン技術を支払い手段として使用し、様々な物の購入をしやすくしたり、権利の転売ができるようにしたりするサービスを多様に展開していくということです。
新技術を使ったEC決済の多様化・柔軟化を実現するシステムによるサービスを開発しています。

現状は、事業として行っていることはそれだけではなく、既に発行されている様々な暗号通貨を決済に使用できるような仲介に近いサービスや、暗号通貨を使えるオークションやECサイトの自社での運用なども試験的に行っています。

 

 

ブロックチェーンによって世界を一変させることができる

岡部 しかし、ブロックチェーン技術の可能性は決済手段に留まるものではありません。
特にNFT(ノン・ファンジエイブル・トークン/代替不能トークン)という技術によって、あらゆるWEB上のデータにユニーク性が付与できるようになります。この技術などによって展開できる、通貨や決済手段のみではない部分にこそ、ブロックチェーンの本当の可能性がある、と言われはじめています。

 

たとえばこの技術を使うと、純粋にデータで作られた作品にもオリジナルの価値が生まれ、データ生成したものがオークションで高値の価値がついていくような商品が生み出し得ます。

また、生成した信号の唯一性が保証されるため、たとえばある技術者のある時間に関する業務委託や雇用の権利が、WEB上で転売され柔軟に手に入ったりするような新しい世界が構想できます。

チケットなどについても、番号で照合するなどという必要がなく唯一のオリジナルであることが保証され、いくらでも流通させることができるようになります。

 

こうしたブロックチェーンの技術領域は無限に広がっており、各人が自由に事業創造をすることこそが価値を最大化するのだと考えています。企業としては、基礎技術と基本方針とリソースによりそれを助ける場の提供をすることがその価値になっていくのだと思うのです。

ブロックチェーンが自律分散の技術であるとともに、その事業を営む弊社もまた自律分散であるというのはそういう意味です。

 

現在のコア技術を拡大し、多様な働き方をさらに確立し、世界を変えていく

―――お聞きしていると「最も先進的な事業領域で、奇跡的な経営があり得ないスピードで発展していて、資金の調達も順調、今までにどの企業も行っていない形で超優秀層の雇用を行っていらっしゃる」ということが自然であるかのように感じられてしまいます。

 

岡部 あまりそういう視点で見たことがありませんでしたが、確かにそうかもしれないですね。

日々、泥臭い仕事をみんなで協調してやっている感じがしているので、仰るような観点で自社を見たことがあまりありませんでしたが、先進的なことを日常的に実現できている状態だとは言えると思います。

 

従業員の若さには元々こだわりはなかったのですが、ツイッターを通じて、当時16歳の女性だった優秀なエンジニアの小野が、ぜひ就職したいということで来てくれました。同時に、当時21歳だった原沢が、技術含めた管理職として就職してくれたため、自然に若い人が居やすい環境ができてきたと思います。

 

その後、高校生、大学生のインターンとして働ける場所だという情報が広がっていき、若い優秀な方が多数来てくれています。自律分散型の経営であれば、働く場所・時間等は自由であってよいため、こうした多様な背景を持つ人たちで事業を作るということが進められていることはありがたいことです。

若くなければいけない、というような意思はありませんので、多様な背景のある方を包括し、それぞれがベストで自由に働ける場を今後も作っていくつもりです。

 

―――事業の中長期の目標や、さらに先の目的のようなものはあるのでしょうか。

 

岡部 資金調達の状態は、現状シード期の3000万円程度の調達は成功しており、我々の事業内容や事業体への理解の深い投資家の方にご支援いただけている状態が作れて来ています。これをもとに、3年後にIPOを行うことを目指しており、現状は順調であると捉えています。

 

先程述べたように、ブロックチェーン技術を核心にすることで大きな価値のある事業をいくらでも作っていくことが可能であると考えています。

3年後のIPO時点での構想としては、自社雇用に近い継続的な社員が200人から300人、もっと緩く自律的に関わって頂くような立場の方が、構想としては数千人のネットワークのもとに、弊社の技術基盤をプラットフォームとして成立させ、さまざまな価値創出をし、世界を早いスピードでより良く変えていくような事業の状態を目指しています。

1人1人が自身の価値を実現して自由に働き生きる自律分散型の事業を作り、そこから自律分散型の新しい世界を作る、世界を生まれ変わらせるということは十分に可能だと日々実感しています。それは必ず実現する未来なのです。

取材した社労士より

ブロックチェーンの可能性と事業構想をお聞きしていて、未来的で理想的でありつつ、非常に現実的でもあり、地に足がついたものだとも感じました。
社会的にも目指されている「多様な働き方・生き方」の実現のための考え方や方法論でもあると感じています。
経営の状態や発展の状態も、事業構想をお聞きすると自然なものに感じられてくるのが不思議な感覚でした。発展するスタートアップ企業のまさに理想的なひとつの形でもあると思いました。

また、インシデント・コマンドシステム(ICS)のような組織人事管理の方法論や、分散的なイノベーション的発展を目指すような組織の方向性の考え方は、他の企業でも応用できるような様々な知恵が多くあると感じています。
自由で助け合う連帯の仕方は、高度成長期にいわゆる日本型経営と呼ばれた経営手法の核心的価値であった「家族的連帯」のような色彩も感じられ、今後の社会や産業の進む道の一端を示しているようにも思います。大変実りの多い取材でした。

(東京都社会保険労務士会 HR NEWS TOPICS編集部 松井勇策)