リモートワークを当たり前に!労働革命で日本を変える株式会社キャスターの働き方改革②
2020年1月2日
1.キャスターのホラクラシー型の組織運営について―
キャスターはホラクラシー型の組織とのことですが、どういったものなのでしょうか。
中川社長(以下、敬称略) まず、ホラクラシー型の組織というのは、会社によって定義が異なるものだと考えています。一般にいう、民間企業のヒエラルキー型とは指揮命令系統があり、階層が深く、職務権限が細かく分岐され、上司の命令に従うといったものであると思います。弊社の考えるホラクラシー型とは、これらのヒエラルキー型以外のものであると位置づけています。
一般的にホラクラシー型というのは「階層が浅い」といったことがよく取り上げられますが、それは部分的なものでしかないと考えています。設立から5年を経過し、こういった組織運営について感じているのは、ヒエラルキー型は1人に対して3人コントロールするため、階層が深くなり、情報を分断することでコントロールしています。
一方、ホラクラシー型は1人が10人から50人程をコントロールする代わりに、上層部のポジションが少なく階層が比較的浅いものです。結果として、ホラクラシー型は一般社員と上層部との情報量に乖離がなく、社員も色々な情報に触れることができますが、階層が浅いことで社員自身も自発的に考えることが求められ、会社側からみるとコントロールを放棄しているともいえるのではないでしょうか。
―ヒエラルキー型を取らなかった理由は何かあるのでしょうか。
中川 当初、ホラクラシー型の組織ということにそこまで強い意識をもっていませんでした。しかし、思ったように動かない人を、思ったように動かそうとして問題が起きることの方が多く、それに気が付くまでは大変だったと感じています。今はそれが分かったのでホラクラシー型と言っています。この5年間、弊社は成長途中ということもありましたので、学校のように社会人としてこうするべき、人間としてこうするべき、ということを教える時間がなかったというのも大きな理由です。そのため、やらない人にやってもらうことを考えるのではなく、弊社が持っている情報はほぼすべて共有し、それぞれが与えられたタスクに向かって考えて取り組むことを自然と求めるようになりました。
(中川社長。社長自身も普段は東京オフィスには常駐していない。)
(中川社長(右)と広報担当の勝見マネージャー(左)。勝見マネージャーはフルフレックスでの勤務で本日は取材のためお越しいただいた。)
―柔軟な働き方ができて社員の方にとって働きやすい環境に思えますが、退職者などはいらっしゃるのでしょうか。
中川 弊社を退職するきっかけは大きく分けて二つあります。一つは地方にいる方が東京に転居した際などです。東京に住めばこれまでのようにリモートワークをしなくとも職業選択の幅が格段に広がるため、退職されることもあります。もう一つは、先にお話ししたように、弊社はエリア関係なく採用をしていますので、応募も多く、自然と能力が高い方・実力のある方が常時供給される状態となっています。そのため、社内のルールにも慣れ、かつ、外部からみてもレベルが高い状態でいることは本人にとっても厳しいと感じてしまうこともあると思います。
(導入率が伸びているとは言え、まだ発展途上の段階である。(出典:総務省HP))
―それでは今後、日本の労働市場全体に対してどのようにお考えでしょうか。
中川 現状ではまだまだリモートワークは一般的な働き方として考えていないように思います。弊社はリモートワークを当たり前にするというミッションを持った組織です。今できることとしては、シンプルですがリモートワークを当たり前にするために、最も高効率であり、最も魅力的なものであるものにし、他の人から憧れられる働き方にしていきたいと考えています。
(今後について熱く語っていただいた。)