ハローワークの効果的な利用法 外国人雇用サービスセンター②
2018年11月14日
東京都新宿区には、外国人を対象としたハローワークがあります。
今回は、東京外国人雇用サービスセンターの室長である津田武彦様にインタビューを行いました。
東京外国人雇用サービスセンターはこちら
外国人向けのハローワークは、全国では東京と名古屋、大阪に設置しています。このうち東京では、東京外国人雇用サービスセンターと新宿外国人雇用支援・指導センターの2つがあります。これら2つのセンターの年間の利用者数は合計すると約1万5千人です。
日本に居住する外国人は、原則として出入国管理及び難民認定法(入管法)に定める「在留資格」を有する必要がありますが、この在留資格は大きく分類すると、
に分けられます。
このうち、①については東京外国人雇用サービスセンター、②については新宿外国人雇用支援・指導センターがそれぞれ対応しています。
東京外国人雇用サービスセンターを利用するためには、まずはご来所いただき、登録していただく必要があります(大学生については3年生以上が対象)。
センターのサービスメニューは
などがあります。これらのサービスは日本語での提供になりますが、英語・中国語の通訳によるサポートが可能です※。
※通訳が不在の場合もあるため、あらかじめ電話で確認を取っておくとスムーズにサポートが受けられます。
個別相談では、応募書類の作成方法、面接についてアドバイスします。仕事探しの方向性や、志望動機の書き方についてなど包括的な指導ができるため、就職に関する予備知識がない状態でも心配ありません。
また、希望する仕事が、在留資格で認められた活動の範囲内であるか確認が必要なときには、「入管相談コーナー」で専門家によるアドバイスが受けられます。
在留資格についてのアドバイスなどは、一般のハローワークにはない外国人向けハローワークならではのサービスになります。
―――前回は新卒採用についてお伺いしましたが、今回は、中途採用の求人についてお伺いしたいと思います。
津田 中途採用の場合、既に日本での就業経験がありますから業務についての知識はあるのですが、就職活動についてはなじみがない方も多いです。新卒採用ではエントリーシートに入力しますが、中途採用では履歴書や職務経歴書の作成などが必要になるためです。また、面接では転職理由なども聞かれますが、このようなことに対しては、面接対策セミナーを受けることによって準備することができます。
実際には、海外で採用されたスペシャリストの人ほど、日本の就職活動について経験がなく苦労することがあるのですが、東京外国人雇用サービスセンターのサービスを利用して就職に結びつく例も多いです。
―――東京外国人雇用サービスセンターのサービスは充実していますね。しかし地方ではこのようなサービスは受けられないのでしょうか。
津田 外国人雇用サービスセンターがあるのは、東京以外では、名古屋と大阪になります。
その他、日本全国主要都市のハローワークに外国人雇用サービスコーナーを設けており、専門の相談員やスペイン語、ポルトガル語等の通訳を配置し、職業相談をしていただける体制を整備しています。
通訳が配置されているハローワークの一覧
―――外国人対応をしているハローワークは実はたくさんあるのですね。
津田 通訳の配置がないハローワークでも、求人情報の提供や紹介のサービスは、全国どこのハローワークでも受けられます。求人情報はオンラインで検索できるため、全ての案件のご紹介が可能です。地方在住の外国人の方々にも積極的にハローワークを利用していただき、就職につなげていただきたいと思います。
また、ハローワークのサービスは施設内部だけの提供でなく、セミナーやガイダンスなどの出張サービスも必要に応じて行うことが可能です。例えば地方の大学等から依頼を受けて、ハローワークの職員が就職ガイダンスを行うこともあります。
ハローワークは無料でサービスが受けられることがメリットの一つです。お気軽にお越しいただければと思います。
―――本日はどうもありがとうございました。
(執筆 東京都社会保険労務士会 HR NEWS TOPIS編集部 永井知子)