オフィスなし、全員がリモートワーク 株式会社ソニックガーデンの「働き方」①
2018年11月26日
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―――設立時は、社内ベンチャー時代のメンバーそのままでスタートされたのですね。当初から現在のようなオフィスなし、全員リモートワークというスタイルだったのですか?
倉貫 いえ、最初は都内にオフィスを構えており、そこに出勤しておりました。ですが、社員を採用しようという段階になったとき、都内に通勤可能な範囲でのみ募集をかけるより、全国で募集をかけるほうがより優秀で自社にフィットする人材に出会える可能性が高いと考え、あえて全国で募集をかけました。
―――通勤不可能な地域から応募があった場合はリモートワークを前提に考えておられたという事だと思いますが、当時はその事についてどのようにお考えだったのでしょうか?
倉貫 実は、社内ベンチャー時代のメンバーの1人が1年ほどアイルランドに行っていたのですが、その間もSkypeなどのコミュニケーションツールを活用して、日本にいる私たちとともに問題なく仕事が出来たという実績がありました。日本と海外で問題なくリモートワークが出来ていたので、日本国内であればなおのこと問題ないだろうと考えておりました。実行するには、若干の思い切りは必要でしたが。

―――全国での募集の結果はどうだったのでしょうか?
倉貫 募集の結果、最初に兵庫県西脇市在住の方から応募がありました。ご家庭の事情で東京へ引っ越しや単身赴任も出来ないという方でしたが、能力が高く熱意もあったため採用することとし、リモートワークの第一号となりました。このケースが上手くいったため、全国での募集を継続し、地方からリモートワークで働く社員も徐々に増えてゆきました。
―――リモートワークで働く社員が増えてきた事で、何か問題はありませんでしたか?
倉貫 リモートワークで働く社員が徐々に増えてくると、Skypeなど既存のツールを工夫して使っていくだけでは解決できないコミュニケーション上の様々な問題や、東京のオフィスに出社している社員とリモートワークで働く社員との環境面での不公平感などが気になるようになってきました。
そこで、地方、東京関係なく社員全員が実際のオフィスのように「同じ場所で仲間と顔を合わせ、共に働いている」と実感できるようなバーチャルオフィスというツールを開発し、試験運用してみることにしました。このツールは、オンライン上の仮想空間で集まって一緒に働くようなイメージで、ログインするとPCのカメラで自動撮影された写真が数分間隔で仲間全員に共有され、チャット機能で雑談や相談ができ、掲示板機能で会議や議論、報告などが行えるというコミュニケーションツールです。
2013年~2014年にかけて試験運用してみたところ、東京、地方問わず社員同士のコミュニケーションが豊かになり、バーチャルオフィスで常に繋がって仕事をすることが当たり前になってきたため、思い切って2016年に東京のオフィスを撤廃いたしました。
オフィスなし、全員がリモートワーク 株式会社ソニックガーデンの「働き方」②に続く

(執筆 東京都社会保険労務士会 HR NEWS TOPICS編集部 南雲大助)]]>